独り言

『スティル・ライフ』に学ぶ働き方改革

今日は読んだ本の感想の話です。

『スティル・ライフ』を読みました。

スティル・ライフ (中公文庫) [ 池澤夏樹 ]
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小説なんですが、なんでこの本を読み始めたかと言うと、僕が「もうちょっと文章が上手くなりたいな」と思っていたからです。

身もフタもない言い方をすると、もっとオシャレな文章が書きたい。

まあこんだけ毎日ブログとか書いてると、なんかこう、文章上手くなりてえなあという気持ちが出てくるものです。

 

で、やはり文章を学ぶには本を読まねばと思ってなんか探していると、この「スティル・ライフ」に出てくる文章が素晴らしいと、まるで心が洗われるようだと、そんな論評をネットで見かけたので早速読んでみた、というわけです。

 

この本、全体的になんか考えさせられる表現が多くて、本を読んで考え事をするという経験を久しぶりにしたわけなのですが、とりわけ気になったのが以下の表現。

登場人物は染色工場で働いているのですが、

「人間は二種類に分類されるんだ。染めあがりの微妙な違いをおもしろがるのと、腹を立てるのと。」

池澤夏樹 『スティル・ライフ』(中公文庫)

このセリフが僕の頭の中にずっと残っているのです。

 

染色というのは100%思い通りに行くわけではなく、どうしても自然の成り行きに任せる部分があるということなのですが、その染め上がりに対してどう思うかですね。

 

でもこれって染色以外にも言えることであって。ようは思い通りにならないことに対してどういう態度でいられるかなんですよね。

ちなみに僕は思い通りにならないことがあると割とイラつくタイプなのですが、正直これを読んでからイラついてもしょうがないなって思うようになっています。

 

やっぱりね。サラリーマンって色々あるわけですよ。理不尽なことが。思い通りにいかないことしかないと言ってもいい。どこでもそうだとまで言うつもりはありませんが、少なくとも僕の周りはそうです。

終わらない仕事。迫る納期。仕事しない同僚。そんなんばっかりです。

 

でもそこでイラついたって何も変わらないわけですよ。イラついて仕事が早く終わるならいくらでもそうしますが、現実は何も解決しません。

そんな時に上の文章を読んだもんですから。まさに染め上がりに対して、面白がるか、腹を立てるかですよ。

なので最近の僕は結構仕事でイラつくことを辞めました。ついでに残業も辞めた。定時来たら絶対帰るようにしています。仕事終わってなくても明日に回していくスタイル。

 

ただね、なんかそうしていると逆に仕事が早く終わるようになったんですよね。明らかに以前より進みが良い。

たぶん仕事中のストレスが減ったからでしょうね。今は開き直って余計な仕事抱えないようにしていますし。

結果、早く帰れて仕事の進みも良くて。良いことしかないですね。

 

やはりストレスを抱えないようにするというのが一番なんだなあという学びを得ました。文章を学ぶつもりで読んだ本から、人生についての学びを得るのも何とも奇妙な話です。

 

『スティル・ライフ』の登場人物はみんなどこか世捨て人のような雰囲気を持っていて、良い意味で世間離れしているんですよね。

読んでいるとこれが物語なのか、遠いどこかの現実なのか、ちょっとよく分からなくなってくる。

でも登場人物はみんな生き方について確かな「自分」を持っていて、読んでいるとちょっと憧れますね。自分の人生を生きてるって感じがする。

だから僕もちょっと真似したくなって、仕事で自分を削ることを辞めたんでしょうね。

 

仕事が大事じゃないと言うつもりは全くありませんが、自分の身を削ってまでやる仕事というのもアホらしい。

やはり自分と言うのは大切にしなければいけないなと思った次第です。

 

はっきり言って文章術を学べる気は全くしませんでしたが、読んで良かった本ですね。

ぶっちゃけ「読んで心が洗われる」って読む前はよく分かってなかったですが、今ならなんとなく分かります。

文章がキレイというよりは、その根底にある考え方がキレイなんじゃないかなと思ったり。その考え方に触れて、自分自身を見つめ直す。それが心洗われるってことなんじゃないかと思います。そんな機会が与えられる話でしたね。

スティル・ライフ (中公文庫) [ 池澤夏樹 ]
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