ヴァンガードで一番最初に作ったデッキはロイヤルパラディンである。何やら新しいカードゲームが始まるということで、一番最初に発売されたトライアルデッキのうち、ロイヤルパラディンを選んだのである。
最初に発売されたトライアルデッキには、ロイヤルパラディンの他にかげろうがあった。ロイヤルパラディンを選んだ理由に特別なものはなかった。一緒に始めたやつがかげろうを選んだので、それなら自分は違う方にしようとしただけであった。
当時やっていたカードゲームは遊戯王がメインだった。それと比べるとヴァンガードは新鮮だった。トリガー運による部分が大きく、勝ち負けはほぼ互角だと言ってよかった。最初期のカードパワーはトリガー運をひっくり返せるほどのものはなく、トリガーが多い方が勝つと言ってもいいくらいのものだった。勝ち負けが運による部分が大きいので、勝敗を気にしすぎることはなかった。このちょうどいい感じの気楽さに惹かれたか、ヴァンガードは続けることになった。
ロイヤルパラディンを使い続けるかと思ったが、長くは続かなかった。第2弾でグランブルーが単独でデッキを組めるようになったからだ。海賊とゾンビの組み合わせ、かっこいい怪物系のイラストが好きな私は即組むことに決めた。特に「スピリット・イクシード」のイラストが好きだった。メインヴァンガードが「魔の海域の王 バスカーク」になってしまうのは困りものだったが。
元々ロイヤルパラディン自体が好きで使っていたわけではない。たまたまトライアルデッキで始められたのがロイヤルパラディンだったというだけのことである。デッキを崩すのにもさほど抵抗もなかった。ロイヤルパラディンのカードはその後別の友達にあげた。未だにグランブルーはデッキを組んでいる。
思うに、長続きするデッキというのは組んだ時点で決まっているのだ。長続きするデッキは、組む時のテンションからして違う。組むと決めたら一直線なのだ。他の事情、ある種の打算的な事情が絡んだデッキはあまり長続きしたことがない。今までいくつものデッキを組んできたが、崩していったデッキの大半は、そういう打算的な事情のもとで組んだ覚えがある。
一時期むらくもを組んでいた時期があった。確か、蒼嵐艦隊が発売された頃である。むらくもを組んだ理由は単純だった。そろそろ次のパックあたりでむらくもが強化されるはずだからである。
当時、パックが発売されるごとにカードパワーのインフレが進んでいった。強化されたばかりのクランとそうでないクランの差は激しかった。しばらく手持ちデッキの強化がないのは分かっていたので、何か次のパックで強化されるクランが欲しかったのだ。それでむらくもを組んだのである。
案の定長続きはしなかった。むらくもが悪いわけでは全くないのだが、どうにも使っていて打算的なものが見え隠れするのが気になった。結局、むらくもが強化されてちょっとしたらデッキは崩してしまった。
なんにしても、私がデッキを長続きさせるには、そのデッキが好きだという気持ちが必要みたいである。書いているうちに思い出したが、スパイクブラザーズも組んだことがある。デッキからスペリオルコールを繰り返し、入れ替わり立ち代わり連続攻撃を行うスタイルが面白そうだったからである。ヴァンガード1期の櫂VSキョウ戦は必見だ。
ただスパイクブラザーズのイラスト自体はあまり好きではなかった。デッキの動きは好きだが、クラン自体があまり好きではない。案の定、長続きはしなかった。何回か使ってデッキの動きに慣れてしまうともう使う気が起きなくなった。
好きなデッキの話をしよう。私はヴァンガードのクランの中でダークイレギュラーズが一番好きである。ケロケロエースで魔候襲来の特集を見た瞬間、組むことを決めた。ダークだとか異能だとか、そういうものが好きな年ごろなので、デッキを組むことになんの迷いもなかったのを覚えている。特に「魔界侯爵アモン」が好きだった。正直アモンの眷属よりもアモンそのもので強化が来てほしい。
ダークイレギュラーズは未だに手元に残っているデッキのうちの1つである。それどころか、日々デッキをいじり続けているくらいである。パックの収録が近いわけでもないのに調整を繰り返しているのはダークイレギュラーズくらいのものである。
個人的に、自分がそのデッキを気に入っているかどうかを測る基準が1つある。それは、特に強化が近いわけでもないデッキを調整する気になれるかどうかである。思い返すと、今自分の手元に残っているデッキはパックのスケジュールに関係なくちょこちょこといじり続けているようなものばかりである。今後も、そういうデッキを少しずつ増やしていきたいものである。